試作設計書 · 2026-09-29 (ユニボディ版)
Smart Ring
継ぎ目のない、光沢のある白い小石を、ひもで首から下げる知らせ役の道具です。ふだんは何も見えません。知らせがある時だけ、殻の下から光がにじみます (HomePod の上面のように)。光の粒や角は見えないように、光を輪に沿ってならしてから殻でぼかします。面の電子ペーパーは叩くと白〜黒の一色で変わり、殻ごしにやわらかく透けます。Launch のアプリを入れると、入退室・温泉・すれ違い・S2S の知らせにも応えます。



1. フォルダの中身
| ファイル | 中身 |
|---|---|
| SmartRing.usdz | 本体・ひも・充電台 (実寸)。電子ペーパーの色 5 段、光の状態 7 種 (消灯・準備・連絡・電池・通報・充電・呼びかけ)、ひもの色 8 種を variant で持つ。表面の見え方は画像 (殻ごしに透ける電子ペーパー / にじむ光) で表している。 |
| 接続ページ/ | NFC から開くページ。光の見本 (60 コマ/秒, 粒の見えないぼかし)、面の色を画面の光で送る、通報。 |
| 印刷用/ | STL 4 つ (すべて穴のない閉じた形): smartring_unibody_shell (殻), smartring_bottom_cap (底のふた), smartring_light_guide_clear (導光リング), smartring_charger (充電台) |
2. 形
| どこ | 寸法 | 考え方 |
|---|---|---|
| 直径 × 厚さ | 44 × 10.4 mm (上面の盛り上がり込みで 10.7) | 厚さ = 直径 / φ³ |
| 縁の断面 | 超楕円 (指数 2.7) | 円でも角でもない、曲がり具合がなめらかに変わる丸み。どこにも角がない |
| 殻 | 乳白の半透明の樹脂を 1 つで 3D プリント (ユニボディ) | 上面と横に継ぎ目なし。研磨 + クリアで光沢 |
| 殻の厚み | 横 1.6 mm → 上面の角 0.9 mm, 中央 2.2 mm | 内側の天井は平ら (電子ペーパーが接する) |
| 継ぎ目 | 底の半径 18 mm の円だけ | 胸に当たる面なので、身につけると見えない。充電台にも隠れる |
| ひも | 縁の穴 φ2.0 × 2, 中の通り道 | 金具なし。通り道のまわりは中身を詰めて強くしてある (外壁 1.9 mm) |
| 充電台 | φ38 × 4 mm | 本体より小さく、置くと下に隠れて浮いて見える |
アルミニウムは使っていません。アルミは電波を通さないので、NFC・置くだけ充電・通信が止まってしまうためです。
3. 光の粒と角を見せない
LED を 36 個、半径 16 mm ほどの輪に並べると間隔は約 2.9 mm。殻の表面までは約 1 mm しかないので、上向きに置くと粒がそのまま透けます。そこで次のようにしました。
- 横向きの LED (サイドビューの RGB LED) を、透明樹脂の導光リング (内径 30.2・外径 33.4・厚さ 1.2 mm) の差し込み口 36 か所に入れ、輪に沿う向きに光を送る。
- 光は輪の中を進みながら、裏面の細かい砂目 (または点の模様) で少しずつ上へ出る。目標の取り出しの長さ 約 10 mm。
- 出た光を、乳白の殻 (厚さ約 1 mm) がさらにぼかす。輪の下は白い基板で光を返す。
| 置き方 | 明るさのむら (計算) |
|---|---|
| 上向き, 殻まで 1.1 mm | 約 130 % (粒が見える) |
| 上向き, 殻まで 3.0 mm (厚くなる) | 約 5 % |
| 横向き + 導光リング (取り出し 10 mm) + 殻のぼかし | 約 2 % |
むらの値は、LED の広がりと殻のぼけを単純な式で置いた計算です。実物では測っていません。導光リングの砂目の細かさは、刷って点けて決める必要があります。
4. 中の部品
| 部品 | 例 | 役目 |
|---|---|---|
| 電子ペーパー | φ29.6 の一色のもの | 殻の天井に接して置く。色は殻ごしに透ける。色を保つのに電気はいらない |
| 光 | サイドビューの RGB LED 36 個 + 導光リング | 60 コマ/秒で色を流す。消えている時は見えない |
| 通信 | Nordic nRF9151 (LTE-M) + eSIM — 任意 | 家族の連絡・Launch の指示を受け取る |
| 加速度 | ST LIS2DW12 | 2 回叩くと色が変わる。ボタンはない |
| 光センサー | フォトトランジスタ | スマホの画面の点滅を受け取る (色・Launch の決まり) |
| 振動 | 小型の振動モーター | 胸元に知らせる |
| NFC | NTAG 424 DNA (アンテナをつなげる形のもの) + 導光リングの下の白い基板に一周するコイル | 通報画面・Launch の読み取り機。Launch は当てるたびに暗号が変わる URL (SUN) を求めるので、書き換え型の ST25DV ではなく NTAG 424 DNA にする (樹脂は電波を通す) |
| 充電 | Qi 受電 (底のふたの内側) + 充電 (満充電 3.6 V) | 充電台に置く |
| 電池 | リン酸鉄リチウムの薄型 | 燃えにくい。容量は見積もり 60〜90 mAh (要確認) |
5. 光の意味
| 光 | 意味 |
|---|---|
| 消えている | ふだん (何も見えない) |
| 虹色が流れる | 呼びかけ・考え中 |
| 白くゆっくり | 準備できた |
| 緑 | 家族から連絡 / 入室 (Launch) / S2S のメッセージ |
| 橙 | 電池が少ない |
| 青 | 充電中 / 退室 (Launch) |
| 白 2 秒 | 温泉のチェックイン (Launch) |
| 虹色 1 秒 | すれ違い (Launch) |
| 赤が点滅 | 通報中 (本人の靴から通報が出た時も) |
光るのは知らせがあった数秒だけ。30 日もたせる「光の予算」のプログラム (~/Desktop/靴とベルト/プログラム/firmware/light_budget.c) は、光を 1 日 20〜180 秒使う 8 通りの模擬でどれも 30 日以上もちました (予算なしでは最短 10 日)。赤 (通報) の光と振動はどの段階でも減らしません。
6. 電池のもち (計算)
すべて私が置いた想定値です。実物では測っていません。
| 電池の容量 (控えめに) | mAh |
| 使い切れる割合 | % |
| 待機電流 | µA |
| 光る時間 (1 日) | 秒 × 平均 mA |
| 振動 (1 日) | 秒 × mA |
| SIM あり: 受信待ちと連絡 (1 日) | mAh |
1 日に使う量 mAh → もち
7. 印刷と組み立て
| ファイル | 材料 | メモ |
|---|---|---|
| smartring_unibody_shell.stl | 乳白の半透明の樹脂 (光造形) か ポリカーボネート → 研磨 + クリア | 上面と横が 1 つ。底が開いている。体積 3.9 cm³ (約 5 g) |
| smartring_bottom_cap.stl | 同じ樹脂 | 外形の曲面そのままのふた (厚さ 1.2 mm)。継ぎ目で面が続く |
| smartring_light_guide_clear.stl | 透明樹脂 (光造形) → 上面を磨き, 裏面を砂目に | LED の差し込み口 36 か所 |
| smartring_charger.stl | 白い樹脂 | φ38。下が開いた箱に市販の小型 Qi 送電モジュール (φ30 前後) を入れる |
- 殻を伏せ、天井に電子ペーパーを貼る。そのまわりに導光リング、その下に LED と NFC のコイルが載った白い輪の基板を置く。
- 本体の基板・電池・振動モーターを重ね、ひもを片方の穴から通して反対の穴から出す。
- Qi 受電コイルを貼った底のふたをはめ、継ぎ目を接着して防水する。
8. まだ確かめていないこと
- 実物は作っていません。形・規格検査・印刷用ファイルが閉じていることだけ確かめました。
- 殻ごしに電子ペーパーの色がどれくらい見えるか (殻の樹脂の透け具合で変わる) はわかりません。
- 光のむらは計算です。導光リングの砂目は、刷って点けて決める必要があります。
- 小さな円盤に LTE-M のアンテナが収まるか、どれだけ届くかはわかりません。
- 本体のプログラム (点滅の受け取り・光の予算・Launch の決まり) は模擬で確かめただけで、基板の上では動かしていません。